『平和研究』特集投稿原稿募集


平和研究『第57号』特集テーマに関する投稿原稿募集について


オンライン・ジャーナルとして刊行を予定している平和研究『第57号』(2021年度秋・冬号)では、下記の特集テーマに関わる投稿原稿を募集いたします。投稿された論文は査読のうえ、編集委員会が最終的な掲載の可否を決定いたします。

『平和研究』第57号特集テーマ:核・原子力をめぐる平和の課題 

 

 

企画趣旨

核兵器が初めて実戦使用されてから76年目を迎える2021年、核兵器禁止条約が発効した。その前文は、核兵器の使用によって発生する壊滅的で非人道的な結末を指摘したうえで、核兵器が再び使用されないことを保証する唯一の方法として,核兵器の全廃を求めている。しかしながら、唯一の戦争被爆国を自認する日本国政府は、日米同盟の下で核兵器を有する米国の抑止力を維持することが必要であるとの立場から、同条約に加入していない。さらに、米オバマ政権が核先制不使用政策を検討した際には、日本政府は反対する意向を表明した。時間の経過とともに戦争と被爆の記憶が風化していくなかで、日本政府の安全保障政策は核抑止論への依存を深めているという現状がある。

 

2021年はまた、東京電力福島第一原子力発電所における過酷事故から10年目を迎える。原発事故の被害は、東日本の広域におよぶ放射能汚染をもたらしただけでなく、情報開示の不足や欠落、廃炉作業の遅延、汚染水処理、被害者間の支援格差や分断、長期にわたる健康不安など、多く二次的な被害を生みだし続けている。この事故によって、ドイツにおいて脱原発政策への転換がはかられるなど、世界の原子力政策にも影響を与え、日本政府が後押しした原発輸出事業もことごとく頓挫することになった。しかしその一方で、日本国内では被害者支援の打ち切りが続き、原発再稼働が進められるなど、原子力発電に依存した経済社会構造を維持しようとする力学が働いている。

 

 本特集は、核エネルギーの軍事利用と「平和利用」双方の問題点を直視し、核・原子力への依存から脱却することを志向する世界的な動きを踏まえつつ、現代と将来の平和の課題を明らかにすることを目的としている。特に、戦時と平時のいずれにおいても核被害を経験した稀有な存在である日本が、核・原子力とどのように向き合っていくのかを考察する論稿を広く会員から集め、社会に発信していくことを目指している。同時に、日本以外の国・地域での経験や取り組みについて考察した論文や、非国家主体の視点や活動に焦点を合わせた論文、核・原子力をめぐる国際関係を考察対象とした論文などの投稿も歓迎する。

 

 

1 投稿資格

投稿資格を有するのは、平和学会の会員、もしくは投稿申込以前に入会申込書が平和学会事務局に受理されている方です。なお会員に広く執筆機会を提供するために、投稿を希望する号より前の3号に原稿が掲載されている会員については、投稿資格は認められません。

 

2 原稿の種類

投稿原稿の種類には、平和研究に関する研究論文、研究ノート、書評論文の3種類があります。詳細については執筆要領をご確認ください。応募された投稿原稿が多数となった場合には、研究論文の掲載を研究ノート、書評論文より優先することがあります。また研究論文として投稿された場合であっても、査読の結果、研究ノートとして掲載を認める場合があります。なお、投稿原稿は未発表のものでなければならず、同一の原稿を学会誌以外に同時に投稿することはできません。平和学会の研究大会・集会時に提出をしたフルペーパーは、未発表原稿として扱います。

 

3 投稿申込締切と投稿原稿提出締切

投稿申込締切は2021年5月31日、投稿原稿提出締切は同年7月31日です。

 

4 投稿申込

原稿を投稿する2ヶ月前までに、投稿原稿の要旨と執筆者情報を所定の書式(書式1書式2)で提出してください。

 

5 原稿の投稿

投稿に際しては、刊行・編集規程投稿規程執筆要領 を確認のうえ、これらの規定に則って原稿の執筆と投稿を行ってください。これらの規定に定められた要件を満たしていない原稿は受け付けることができませんので、ご注意ください。

 

6 投稿申込・原稿送付の連絡先

メールで下記のアドレス宛にご連絡ください。

psaj24journal(a)gmail.com  ((a)は@におきかえてください)

第24期編集委員会 清水奈名子宛

メール送信後1週間以内に受信確認の返信がない場合には、再度ご連絡ください。

 

7 査読結果の通知

原則として投稿後3カ月以内に査読結果を通知します。

 

8 オンラインジャーナルへの掲載

完成した原稿からオンライン上で逐次刊行となります(完成原稿から先行公開されます)。 原則として掲載可となった原稿は、投稿から1年以内の刊行を予定しています。